エールビールの分類７ - 気のままブログ

ポーター

ポーターとは、イギリスで発祥した深い茶色のエールビールの一種です。ポーターという名前は、18世紀にこのビールを好んで飲んだロンドンの荷物運び人（ポーター）に由来します。ポーターは、麦芽を高温で焙煎することでコーヒーやチョコレートのような香ばしい風味や苦味を持ちます。また、アルコール度数が高くボディがしっかりしています。

ポーターの歴史は古く、17世紀にはすでに存在していたとされます。当時のビールは保存性が低く酸化や感染によって品質が劣化しやすかったため、麦芽を焙煎してカラメル化させることで風味や色を強化し、保存性を高めるという方法が考案されました。これがポーターの原型となりました。18世紀にはロンドンの労働者階級の間で大人気となり、多くの醸造所がポーターを製造しました。19世紀にはイギリスからアイルランドやアメリカなどにも広まりました。

しかし20世紀に入ると第一次世界大戦や第二次世界大戦などの影響で、原材料の不足や税金の高騰などによりポーターの製造量は減少しました。また、消費者の嗜好も変化し、より軽い色や味のビールに移行しました。ポーターはほとんど姿を消す寸前まで衰退しました。

ところが1970年代になるとイギリスやアメリカでクラフトビールのブームが起こりました。クラフトビールとは小規模な醸造所が伝統的な製法や手法で作るビールのことです。クラフトビール愛好家たちはポーターの歴史や風味に魅了され、再びポーターを復活させました。現在では世界中の多くの醸造所が様々なスタイルやバリエーションのポーターを作っています。

ポーターの特徴

濃厚で豊かな味わいが特徴です。多くの場合、コーヒーやチョコレート、キャラメルのような風味が感じられ、特にローストされたマルトの風味が際立ちます。
深い茶色から黒色の範囲にわたる色合いを持ちます。その色は、ローストされたマルトによるものであり、ビールを特徴付ける重要な要素の一つです。
一般的に滑らかな口当たりを持ち、舌に心地よい感覚を与えます。そのため、飲みやすく、しっかりとした味わいを楽しむことができます。
一般的なポーターのアルコール度数は中程度であり、通常は5％〜7％の範囲にあります。これは、バランスの取れた味わいを持ちながらも、適度なアルコール度数であることを意味します。
さまざまなバリエーションがあり、一般的なポーター、ロブストポーター、バルティックポーターなど、それぞれ異なる特徴を持ちビール愛好家に幅広い選択肢を提供しています。
焼肉やチーズ、チョコレートデザートなどの濃厚な料理との相性が良いとされています。その豊かな味わいと複雑な風味は料理との組み合わせを楽しむのに最適です。

これらの特徴により、ポータービールはビール愛好家にとって魅力的な選択肢となっています。その豊かな味わいと複雑な風味は、多くの人々にとって不朽のスタイルの一つとされています。

ポーターの分類

ポーター：伝統的なポーターはバランスの取れた味わいで、コーヒーやチョコレートのような風味があります。一般的には中程度のボディとアルコール度数を持ちます。
ロブストポーター（Robust Porter）：より強烈な味わいを持つポーターの一種で、より濃厚で多彩な風味を楽しむことができます。通常はより多くのローストマルトが使用されます。
バルティックポーター（Baltic Porter）：バルト海周辺地域で製造されます。一般的にはより高いアルコール度数と甘味を持ち、濃厚で複雑な味わいを楽しむことができます。

ポーターはその濃厚な味わいから、食事との相性も抜群です。特にチョコレートやチーズなどと合わせるとお互いの風味を引き出します。また、コーヒー豆やバニラビーンズなどを加えてアロマを増したり、オートミールやミルクなどを加えて滑らかさや甘みを増したりすることもあります。ポーターは冬の寒い日に温まることができるビールです。